お孫さんの優しさが届いた日

こんにちは、訪問看護ステーションひなたです。

今回は、ご家族の愛情がそっと苦しさを和らげてくれた、心温まるエピソードをご紹介します。

あるご利用者さまは、最近、呼吸が苦しくなることが増えており、お薬や医療的なケアだけでは完全に症状が落ち着かない日もあります。そんな時、私たち看護師は、バイタルサインを確認しながら、フットケアやタッチケアなど、少しでも身体が楽になるようなお手伝いをしています。

その日も、いつものようにフットケアを行っていたところ、そばで見守っていたお孫さんが「やってみたい」と声をかけてくれました。まだ多感な年頃のお孫さんですが、おばあちゃんのことをとても大切に想っており、いつもそっと手を握ったり、優しく背中をさすってくれたりと、自然なかたちで愛情を表現されています。

マッサージを始める時には、お孫さんの表情に少し不安な気持ちが見え隠れしていました。「ちゃんとやれているかな」「おばあちゃん、楽になっているかな」と、そんな思いが伝わってくるようでした。

マッサージが終わった後も、お孫さんは「柔らかくなったかな…?」と少し心配そうに聞いてくれました。そこで、私たち看護師が「とっても柔らかくなってるよ。」とお伝えすると、その瞬間、お孫さんの顔がぱっと明るくなり、にっこりと笑ってくれました。

それを見ていたお母さんも、おばあちゃんも、とても穏やかな笑顔を見せてくださいました。そして何よりも、苦しそうだったご利用者さまの呼吸が、少しずつ穏やかになっていることに、私たちは気づいたのです。

医療や看護の技術ももちろん大切ですが、ご家族のぬくもりや、心からの想いが、ご本人さまの身体や心に与える影響は計り知れないと、改めて実感する出来事でした。

このご家族のように、お互いを思いやる気持ちが自然と行動に表れ、苦しい時にも一緒に寄り添い合える関係性は、とても素敵だなと感じました。私たち訪問看護師は、その大切な時間にご一緒させていただけることに、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。

これからも、医学的なケアはもちろん、ご家族の絆を大切にしながら、心と体の両面からご利用者さまを支えていけるよう努めてまいります。

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