POOマスターの養成講座に参加して
こんにちは、訪問看護ステーションひなたの黒永です。
5月10日・11日、そして6月7日・8日の計4日間、「POOマスター養成講座」に参加しました。
5月の研修では、腹部マッサージの方法を学び、排泄ケアにおいて“全身のアセスメント”がとても重要であることを教えていただきました。
実際の訪問の現場でも、利用者様に腹部マッサージを行う機会がありました。お腹がやわらかくなったり、「マッサージのあとに便が出ました」といった声をいただくこともあり、学んだことが早速現場で活かせる喜びを感じています。
排泄のケアは、私たち看護職にとっては日常的な業務のひとつです。ですが、利用者様にとっては、他人に触れられること自体が恥ずかしかったり、不安だったりする、とても繊細な部分です。だからこそ、相手の尊厳を守りながら、丁寧に関わることの大切さを改めて感じました。
これまで、便秘に対しては下剤で排便をコントロールすることが多くありました。しかし、その方法では腹痛やお腹の不快感を引き起こすこともあります。今回の講座では、そうした負担をできる限り減らすために、腹部マッサージや温罨法(おんあんぽう)、軽い運動、そしてリラックスといった、より自然で優しい方法を取り入れることが提案されていました。
私は、利用者様が「自然に、気持ちよく」排便できるような支援を目指していきたいと感じています。
なにより大切なのは、私たち介護や看護の側の都合ではなく、「利用者様が主役」である排便ケアであること。
その方の排便リズムや生活リズムをしっかりと把握することが、適切なケアにつながっていくのだと学びました。
そのためには、まず排便チェックリストを活用して、毎日の排便状況を記録し、小さな変化も見逃さないようにします。そこから丁寧にアセスメントを深め、一人ひとりに合ったケアに結びつけていく——その積み重ねが、結果的に大きな安心と快適さを生み出すのだと思います。
今後はこの学びをステーション全体で共有し、「便秘のことならひなたさんにおまかせ!」と利用者様やご家族に言ってもらえるような信頼づくりをしていきたいです。
まずは私自身が「POOデンジャー(=排便観察・支援の実践者)」として日々の訪問の中で実践し、効果を確認していきたいと思います。
そして、9月には「POOマスター」の認定試験があります。それに向けて、引き続き研鑽を積んでまいります。
ちなみに「POOマスター」とは、保健師・助産師・看護師である榊原千秋先生が設立された、排便ケアの民間認定資格です。
排便という営みは、生まれた時から亡くなるまで、病気や障がいがあってもなくても、すべての人にとって「幸せに生きる」ために必要なこと。排便支援は、その人らしさを取り戻す「リカバリーケア」の一環でもあります。
講座を通じて得た知識や視点は、私自身の看護観にも深く影響を与えてくれました。これからも利用者様の声に耳を傾けながら、一緒に安心できる毎日をつくっていけるよう、丁寧なケアを続けていきたいと思います。
