「緊急搬送と不搬送をめぐる判断と連携」〜多職種で考える“もしも”の時〜
こんにちは、訪問看護ステーションひなたの松下です。
先日、豊田加茂医師会館で開催された「多職種合同研修」に参加してきました。
今回のテーマは「緊急搬送と不搬送をめぐる判断と連携」。在宅ケアに携わる私たちにとって、急変時の対応は常に心に留めている大切な課題です。
会場には、医療・介護の仲間だけでなく、豊田・みよし消防や豊田警察の方々も参加されていて、それぞれの立場から「最期のあり方」について深く考える時間となりました。
普段、私たちは「住み慣れた家で穏やかに」と願いながら関わっていますが、救急隊の方は法的な任務として「救命と搬送」を主眼に動いています。
今回の研修を通して、適切な書類が揃っていなかったり、医師の指示が確認できなかったりすると、たとえ本人の意志に反しても蘇生処置を行わなければならないという「制度の壁」があることを、改めて学びました。
また、警察の方の視点からは「異状死」の扱いについても共有がありました。
私たち看護師は、現場で呼吸や心拍が止まっているといった状況を的確に判断し、速やかに主治医へ報告することの重みを再認識しました。この正確な「判断と報告」こそが、その後のスムーズな手続きや、ご家族の心の安定につながる大切なバトンになるのですね。
研修の資料の中に、心に響く考え方がありました。
「死は医療の失敗ではなく、誰にでも必ず訪れる人生の一部である」という言葉です。
ついつい「救えないこと」をマイナスに捉えてしまいがちですが、死を単なる生物学的な終わりではなく、その方の人生の集大成としての「社会的な出来事」として捉え直す大切さを教わりました。
救急隊の方は「任務は果たしたいけれど、本人の意志に反することはしたくない」という葛藤を抱え、ご家族は「意志を尊重したいけれど、いざとなると不安で揺らぐ」という想いの中にいます。
だからこそ、元気なうちから「もしも」の時の希望(ACP)を話し合い、地域のみんなで共有しておくことが、本当の意味での「安心」を形作るのだと感じました。
後半のグループワークでは、多職種の皆さんが「利用者様やご家族にとって、どんなサポートが一番の支えになるか」を、自分のことのように真剣に考えている姿がとても印象的でした。
私たち訪問看護師が日々の訪問で汲み取る「本音」を、いかに医師や救急隊とも共有できる「形」にしていくか。
これからも地域の多職種の方々と手を取り合って、利用者様が「自分らしく生き切る」お手伝いをしていきたいと思います。
豊田加茂医師会の皆様、参加された皆様、ありがとうございました!



